事業概要

事業の背景

札幌市における学校図書館地域開放事業が始まった昭和53年当時は、我が国において、文化活動や生涯学習等への興味や関心が高まった時代であると同時に、学校生活等で子ども達が荒れた時代でもあり、学校教育と社会教育の連携の必要性が唱えられていました。

そのような状況の中で、当時の札幌市教育委員会社会教育部が中心となり、同教育委員会の総務部・学校教育部、市立図書館、小学校などの代表・校長などにより「(学校図書館の)地域開放事業のあり方」が協議・検討され、いくつかの基本的な原則(詳細は「札幌市学校図書館地域開放事業の手引き」を参照)が確認されています。

その原則のもと、昭和53年5月に学校図書館地域開放事業に着手されることになり、第1番目の開設学校として厚別区のみずほ小学校が選定され、同年9月9日に開放図書館(みずほの森)が開設されるに至っています。

さらに、開放事業が軌道に乗り、学校開放図書館が増えるにつれて、それぞれの運営に関する情報共有や相互協力にむけた組織的な取り組みの必要性が高まってきたため、昭和59年1月に、各開放図書館(運営委員会、教職員、開放司書、ボランティアなど)が集結し、”開放事業の充実や向上、各開放図書館相互の連携強化”を目的とした「札幌市学校図書館地域開放協議会」が発足しました。

事業の目的

札幌市における学校図書館地域開放事業は、学校の図書館を、学校教育の場として利用するだけではなく、社会教育の場としても地域に開放することにより、地域住民の読書活動の活発化や子どもから大人にいたる相互交流の拡大を図リ、地域で子どもを育むことを含めた地域力の向上に役立てることを目的としています。

事業の仕組み

札幌市における学校図書館地域開放事業は、札幌市が開放校のPTAと委託契約を結んで実施されます。
委託契約を結んだPTAは、運営する上で必要となる様々な事項について協議・決定する「運営委員会」を設置します。
この運営委員会は、基本的には、PTA役員、学校教職員、開放司書、ボランティア代表、その他(地域関係者など)などで構成される組織です。
なお、「札幌市学校図書館地域開放協議会」は、すべての開放図書館運営委員会からの会費で運営されています。
事業の仕組み

札幌方式と呼ばれる理由(事業の特徴と効果)

札幌市における学校図書館地域開放事業は、全国でも珍しい”しくみ”であり、「札幌方式」と呼ばれています。ここでは、その理由(事業の特徴と効果)について5つにまとめて紹介します。

1)学校・PTA・地域が連携して運営している事業であること
本事業は、学校(図書館)を拠点として、学校(教職員)・PTA(役員や会員である各家庭)・地域(ボランティアなど)の三者が連携して取り組んでいるものです。
2)主として開放司書とボランティアにより活動が展開されていること
本事業は、札幌市とPTAの聞で委託契約を結び、各開放校に設置される運営委員会が運営主体となリますが、現場(開放図書館)での活動は、校長・PTA会長から任命される開放司書と、PTAや地域住民からなるボランティアが担っています。
3)図書の貸し出しのみならず、多彩な活動が展開されていること
現場(開放図書館)では、図書の貸し出しのみならず、多彩な活動が展開されています。
①図書の貸し出し等(図書の貸し出し、図書選定、レファレンスサービスなど)
②子供向けの行事(読み聞かせや大型紙芝居の公演など)
①大人向けの行事(読書会や講演会など)
④開放司書やボランティアなどの研修(開放司書やボランティアなどの活動に関する研修など)
⑤ PRや装飾など(広報紙やポスターの製作・配布などによるPR活動や館内の装飾など)
4)様々な活動が館内外への教育活動などに広がっていること
現場(開放図書館)での多彩な活動が、館内のみならず、以下の事例にみられるような学校における教育活動支援につながったり、さらには近隣校や近隣施設との連携や各区・全市レベルの活動への参加などといった広がりをみせています。
①学校教育としての"朝の読書"のサポート
②学校教育としての"全校一斉読み聞かせ"のサポート
③一学期時の新入生への図書館利用指導のサポート
④"総合的な学習"のゲストティーチャーの派遣
5)学校教育のみならず、家庭教育や生涯教育などのステージになっていること
本事業への取り組みの結果、子どもの健全育成のみならず、家庭での親子のコミュ二ケーションの促進や地域の大人同士の協働作業への展開、さらには子どもと大人の相互教育の場づくりなどといった幅広い効果が表れています。

札幌方式と呼ばれる理由(事業の特徴と効果)

本事業の詳細については、「札幌市学校図書館地域開放事業のてびき」(札幌市教育委員会)をご覧ください。
「札幌市学校図書館地域開放事業のてびき(四訂版)」(札幌市教育委員会)の目次
第1章 学校図書館地域開放事業とは
第2章 運営
第3章 実務
第4章 活動
第5章 Q&A~運営と活動~
第6章 新規開設するために
第7章 学校図書館関連法令・学校開放関連法令等

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